その2


最近のJazz名盤


FOR ALL WE KNOW/綾戸智絵
  イースト・ワークス・エンタテインメント EWCD 0005 ¥2730
 これは凄いヴォーカリストだ!
 「ステレオ」誌で岡崎氏が絶賛しているのを読んで聴いた東京在住の旧友O君から、
 絶対おすすめとのメールが届いた。
 何人かの人に聴いてもらったが、誰も日本人が歌っているとは思わなかった。
 英語の苦手な私にさえも、その発音の良さがわかるし、
 体の芯に染みついている黒っぽいフィーリングが素晴らしい。
 普段ほとんどヴォーカルを聴かないのだが、このアルバムは
 繰り返して聴いているが飽きが来ない。
 バックも益田幹夫、鈴木良雄、岡田勉、日野元彦、秋山一将と、
 超一流のメンバーが務めるだけあって、一層歌を引き立てている。
 是非ライヴで聴いてみたい歌手だ。

  そのあと出た「YOUR SONGS」,「Life」、「Friends」も
 それぞれが素晴らしい。
 あなたはどれから聴きますか?

綾戸智絵・公認ホームページ

    

   さよならバードランド/ビル.クロウ.カルテット   (TKCV 79306)  \2854
 もともとスイング.ジャーナルに連載された「さよならバードランド」(新潮社)が出版された。(村上春樹の翻訳)
市の図書館にリクエストして借りたS氏より又借りして読んだ。
翻訳もいいのだろうが、ジャズメンのいろいろなエピソードが大変おもしろかった。
それまでビル.クロウの名前くらいは知っていたが、詳しい経歴など初めて知った。
このCDもほかのメンバーは知らないプレーヤーばかりで、正直あまり期待していなかったのだが、
筋金入りのジャズファンであるYさんに勧められて聴いてみた。
知名度は低くてもすばらしいミュージシャン揃いで、どの曲も聴かせる。
本を読んでから聴けばより楽しめること請け合い。

   いそしぎ/ジョー.パス&レッド.ミッチェル     (PHCE 5048)   \3059
  ギターとベースのデュオでくつろいだ雰囲気が素晴らしい。
 スタンダードばかりで、安心してふたりの名人芸を楽しめる。
 ジョー.パスといえばソロ作品が有名だが、ここではレッド.ミッチェルとの掛け合いで、
 新しい魅力を引き出したようだ。
 寝る前にちびちびとウイスキーかブランデーでも飲みながら聴けば、いい夢が見られること間違いなし。

   ファースト.タイム.エバー/バリー.ハリス   (ALCB 3911)   \2854
 今年になって発売されたピアノ.トリオ盤ではダントツだと思う。
バリー.ハリスはもうかなりいい年のはずだが、ピアノに若さを感じた。
それになんと言ってもベースのジョージ.ムラーツがいい。力強い演奏でトリオを引き締めている。
この原稿の参考にとライナーノーツをみると(普段滅多に解説を読まないので)、寺島靖国さんが書いている。
ゴールデンウィークにコンコルドのオーディオ.コンサートがあって、
わざわざ吉祥寺から寺島さんもやって来られた。
佐久間さんに紹介してもらいしばらく話をさせていただいたが、
文章と違って物腰の柔らかい紳士であった。
話がそれたが、その寺島さんも、また大のジャズ.オーディオマニアであるお客様Hさんも、
ムラーツのベースがよいとの評価だった。

   レッドスカイ.ワルツ/ドン.フリードマン    (ALCB 3910)     \2854
 これもAlfaレーベルのピアノトリオ盤である。
60年代の初めに「サークル.ワルツ」という名盤を出したドン.フリードマンの最新作。
ビル.エヴァンス派に違いないのだが、エヴァンスよりもハードな面が見られる。
たしかにきれいな音のピアノだが力強さもあって、エネルギーを感じさせる。
8曲目のマッチ.ポイントは、ジャズ界でも屈指のテニス.プレイヤーとして有名なフリードマンの自作曲で、
趣味からタイトルを付けてあるそうだ。

   イメージズ/ゴンサロ.ルバルカバ     (TOCJ 5540)    \3059
 キューバの天才ピアニスト、ゴンサロも最近は今ひとつパッとしないようだが、
このMt.Fujiジャズ.フェスティバルに出た頃はすごい勢いだった。
大観衆を前に強烈なスピード感とデリケートさをアピールする演奏が録音されている。
他のピアニストと間違えようがない個性があふれていて、爽快な印象を残す。
ベースのパティトッチ、ドラムのディジョネットとの息もぴったり合っていて、
この後のアルバムのメンバーよりも、ジャズを感じるのだが...
 ここ2年ほどアルバムも出ていないが、ラテンではなくジャズをやって欲しいものである。


   ブルー.バラード/アーチー.シェップ.カルテット  (TKCV 79307)  \2854
 いきなり図太いテナーサックスにガーンと衝撃を受けた。
シェップといえばフリーというイメージが強く、これまでほとんど聴くことがなかった。
しかし、最初の音が出てきた瞬間これはスゴイ!とおもった。ブルージーなバラードはまさに天下一品。
24bitのスーパー.ブライト.サウンドという高音質録音のためか、
近頃の録音にしては珍しく太い音が聞ける。
バックを務めるジョン.ヒックスのピアノ.トリオも渋い。
それと忘れちゃいけないのがジャケットの良さで、モノクロのバニーガールが色っぽい。

   星影のステラ/キース.ジャレット.トリオ        (POCJ 2415)   \2039
  軽く千回以上は聴いているが、全く飽きることのない名盤である。
スタンダーズの盤はほとんど持っていてどれもいいと思うが、なぜか繰り返し聴いているのはこの盤だけ。
その理由はよくわからないが、強いてあげれば選曲の良さかも知れない。
一曲目の”星影のステラ”で、キースのピアノソロからスタートして3分くらいでピーコックのベースが絡んでくる。
その瞬間のカッコイイこと!
そして繊細にして力強いディジョネットのドラムがプッシュして、独特の緊張感ある演奏を繰り広げる。
よく嫌われるキースのうなり声も、何度も聴くうちにそれも音楽の一部だと思えてくる。
3曲目の”恋に恋して”もロマンティックなメロディーがいい。
5曲目の”今宵の君は”では、スピード感あふれる演奏で盛り上がり、ソフトなエンディングでしめている。
ライヴならではのアンコール曲”オールド.カントリー”も、3人の気持ちよくスイングしたプレイが楽しめる。

   ラウンド.ミッドナイト/チック.コリア.アコースティック.バンド.ライヴ!  (MVCR 13)   \2548
 キースの次はチック.コリアとくるのが順当なところだろう。
油井正一先生は、キースよりもチック.コリアの方が
人間的にも音楽的にも好きだとライナー.ノーツに書いている。
私は二人の人間性は知らないが、音楽に関してはキースの方がより好きだ。
といってチック.コリアが嫌いなどということはない。
特にこのアコースティック.バンドは、ジョン.パティトゥッチ(b)とデイブ.ウェックル(ds)、
二人の若手の生きの良さが心地よい。
ことにデイブ.ウェックルのドラムがバシンバシンと爽快だ。
ライヴだけに若手二人の熱気にあおられて、コリアも熱演している。

   スティル.ライフ/パット.メセニー.グループ   (MVCG 73)   \2548
 ほとんどオーソドックスなジャズしか聴かないのだが、メセニーはいいと思う。
ちょうど10年前の作品だが、今でもたまに聞きたくなる。
 このアルバムは、聴いていると視覚的なイメージがわいてくる。
特に3曲目の”ラスト.トレイン.ホーム”からは、力強い列車の走行が浮かび上がってくる。

   マンハッタン.ジャズ.クインテット.ライブ.アット.ピット.イン  (KICJ 8053)  \2345
 11年前のSTEP開店当時大人気だった、現代のM.J.Qである。
演奏テクニックなど全然わからない私でも、このメンバーの正確な演奏ぶりは感じ取れた。
デビッド.マシューズのアレンジの良さを、他のメンバーが切れのある演奏で表現している。
高校生の頃好きだったブラッド.スウェット.アンド.ティアーズのメンバーだったルー.ソロフ、
頭はツルツルになったがトランペットはまだまだ若い。(実はLDも持っている)
何となくもやもやとしてスッキリしないときには、この盤をやや大きめのヴォリュームでかけよう。

   サリナ.ジョーンズ.ベスト.コレクション  (VICP 8026)  \2718(税抜き)  97/10/11
 実は現在この盤は廃盤になっている。ただし似たような選曲のベストが出ている。
現代のジャズ歌手で最もコンスタントにアルバムを出し続けているのが、このサリナ.ジョーンズ。
なにを歌ってもそつなく安心して聴かせてくれる人だ。
特にゴリゴリのジャズナンバーよりも、この盤のようなポピュラー曲がよい。
なかでも「アントニオの歌」(マイケル.フランクスの曲)、「素顔のままで」(ビリー.ジョエルの曲)
などが私のお気に入り。

   オールド.フレンズ/アンドレ.フ゜レヴィン、マンデル.ロウ、レイ.ブラウン  (PHCD 5022)  \3059  97/11/1
 録音の良さで売り出したテラーク.レーベルだが、
最近ちょっとその勢いがないような感じがする。
 名人のベテラン3人がスタンダードを演奏しているこの盤は、
実にリラックスした雰囲気でくつろげる。
 裏ジャケットにわざわざベーゼンドルファーを使用のクレジットがあるが、
その辺に興味のある人にも聴いてもらいたい。
と言っても、私にはヤマハもスタインウェイも区別できないのだが。
ピアノ調律師のY氏によると、「スタインウェイは音が立つ、ヤマハはちょっと横に寝る、カワイは沈む」
そうだが...
 いずれにせよ、上品で知的な極上の味が楽しめること間違いなし。


Jazzのあまり有名ではない名盤


    ヴィジブル.ワールド/ヤン.ガルバレク       (POCJ 1328)    \2548
  聴いたことのない人は絶対聴きなさい!
 いわゆるヒーリング.ミュージックでジャズじゃないかもしれないが、そんなジャンルなどに無関係に素晴らしい。
  国籍不明だが妙に懐かしさを感じる不思議な音楽で、ガルバレクのサックスの音色にしびれる。(古い表現!)
 グレゴリオ聖歌との共演で話題になった、前作"オフィチウム"も良かったので、これを気に入った人は是非どうぞ。

    プレイズ.エリントン/マーカス.ロバーツ      (BVCJ 628)    \2548
  ジャズ.アレルギーの人にも勧められる、美しい音のピアノだ。
 4歳にして視力を失い教会音楽に親しみ、その後クラシックも相当勉強したらしく、
 アシュケナージやクライヴァーンの影響を受けたそうだ。
 ロバーツのピアノには、エリントンの音楽の知的な部分が表現されていて、
 表面の美しさの裏に深い情感を感じる。
 何枚かのアルバムからピックアップされた10曲だが、普通のベスト盤のような不統一感がなく、
 じっくりと味わえる良い編集がされている。

    パトリース/マーク.ホィットフィールド        (WPCP 4458)    \2447
  今や若手と言うより中堅といった方がいいであろうホィットフィールドの2作目。
 この作品を発表した時は24歳だったらしい。
 フュージョン系の若手ギタリストはいっぱいいるが、オーソドックスなメイン.ストリームマーは貴重な存在だ。
 コンスタントにアルバムを出していて、雑誌などの評価も高い。だけどもっともっとメジャーになって欲しい。
 デビュー作から今年3月の最新作まで、アルバムごとに共演者が違い、プロデュースも変わっている。
 このアルバムはケニー.バロン(ヒ゜アノ)、ジャック.ディジョネット(ドラムス)と私の大好きなプレイヤーが一緒で、
 若いホィットフィールドを盛り立てている。

    ロマンティック.ブルー/中山英二    (JICC 89256)    \2854
  2,3年前Jazz Bar New Mammyのライブにやってきた。
 それまで名前しか知らなかった、中山英二のベースを初めて聴いた。
 アルコでのソロが独自の世界を感じさせた。
 Mammyで聴いてきたいろんなベーシストとは、かなり異なったタイプ。
 技術論は全くわからないが、このアルバムでもオリジナルばかり演奏しているし、
 美しいメロディーと音色が特徴的だ。
  特にサックスのディック.オーツが心地よい響きで、中山の音楽に大きく貢献している。
 日本のジャズ界にそれなりの地位を築いているようだが、
 もっともっと大きな存在になって欲しいし、またなれる人だと思う。

    エコー.オブ.ハーレム/エディ.ハリス    (ALCB 9551)    \2039  98/4/11
  「栄光への脱出」(エクソダス)の大ヒットで知られるエディ.ハリスだが、
 名盤コーナーとか推薦盤コーナーでは見かけたことがない。
 61年の「栄光への脱出」ももちろん良いが、90年録音のこの盤はもっと良い。
 なんと言ってもハリスのテナーの明るい音色が素晴らしい。
 心がウキウキしてくるような輝きがある。
 バックのケニー.バロンのピアノも渋いし、セシル.マクビーのベース、
 ベン.ライリーのドラムも堅実なサポート。
 録音もジム.アンダーソンの手によるもので安心して聴ける。
 惜しいのはジャケットデザイン、これが良ければもっと売れるのに!

 


RECKLESS PRECISION/TUCK ANDRESS



    ライヴ!/スーパー・ギター・トリオ  (SRCS 9170)  \1835  98/5/4
  アル・ディメオラ、パコ・デ・ルシア、ジョン・マクラフリンこの3人のギタリストが
 アコースティック・ギターを弾きまくる、まさに痛快なライヴ。
 ジャケットにもジャズ/コンテンポラリーというジャンル表示がある通り、
 分類分けしにくい音楽である。
 しかしジャズとかフラメンコとか、そんなことはどっちでも良い。
 ギターのテクニックなど全くわからないが、この演奏を聴けば3人とも
 まさしくスーパーなギタリストであることには疑いの余地がない。
 それに録音も素晴らしい。
 さらにSONY得意のMASTER SOUNDで、ほとばしるような音が
 堪能できる。

    花/日本のうた ゲリー・カー  (KICC 161)  \3059  98/5/18
  非常に珍しい、コントラバスによる日本の名曲集である。
 花(滝廉太郎)、荒城の月、箱根八里、待ちぼうけ、赤とんぼ、この道など、
 23曲の名曲がオルガンまたはピアノをバックに奏でられる。
 ただでさえ音程の取りづらい(らしい)コントラバスで、
 誰もがおなじみのメロディを情感たっぷりに演奏している。
 ほとんどの日本人歌手でさえもここまでの表現はできないだろう、
 と思うほど文句の付けようがない。
 全曲ゲリー・カーのアレンジによるものだそうだが、
 歌詞の内容まで完璧に理解しているのだろうか?
 このCDを聴く限り、そうとしか思えない。
 川口リリア音楽ホールでの録音だが、スチューダーの機材による
 アナログ録音をdCSのA/Dコンバーターで24bitマスタリングしたもの。
 1611年のアマティの、まさに甘い響きが素晴らしい。

     虹の彼方に/タック.アンドレス    (BVCW 619)    \2447
  ウィンダム.ヒル.レーベルからのギター.ソロ.アルバム。
 夫婦のデュオとして有名なタック&パティのタック.アンドレスが、
 1953年製の(俺と同じだ!)ギブソンL−5で素晴らしい世界を表現している。
 発売後7年たったが、あまり雑誌などで紹介されないようで、知名度は低い。
 たまたまNHK−FMの"クロスオーバー.イレブン"で耳にして、すぐにCDをあけてみた。
 それ以来STEPではロング.セラーとなっている。
  ギターの好きな人はもちろん、ジャズ.クラシックを問わず"音楽"を愛する人には、
 是非聴いてもらいたいアルバムである。

     浅川マキの世界/浅川マキ         (TOCT 6556)     \1835
  青春時代、アングラがブームだった。そのアングラの代名詞といった存在が浅川マキだった。
 渋谷のジャンジャンでのライブが有名で、一度行ってみたかった が果たせなかった。
 「夜が明けたら」「かもめ」「朝日の当たる家」など、いま聴いても古くない。
 稲葉国光などのジャズメンがバックをつとめているのも聞きどころだ。

     ブルースを唄おう/新井英一    (MECR 30073)    \3059
  2年連続で館山でライブを聴いた。(さらに鴨川でも)
 とにかくその声の圧倒的な迫力にぶちのめされた。
 クラプトンにちょっと似た風貌の高橋青年のギターと自分のギターだけのバックで、
 深い情感を込めた歌を次々と歌ってくれた。
 この盤は、あの「清河への道」(チョンハーへの道)がヒットする前に出たインディーズ盤の復刻で、
 ライブでも必ず歌う曲ばかりだ。タイトル曲のほかにも「心の水」「シャングリラ」など名曲揃い。
 今年も秋に南総文化ホールに来てくれるそうなので、今から楽しみだ。

   去る10月28日、南総文化ホール(小ホール)でのコンサートも満員で大好評だった。
  パーカッションとベースが加わったが、声の素晴らしさにはなんの変わりもなかった。
  11月に出る初のカバー曲集がますます楽しみになった。(97/11/1 追加)

     BLUESette/高橋真梨子     (VICL 5173)    \2548
  この人の場合、どんなアルバムでも安心して聴くことができる。
 たまたまこのアルバムが昔から手元にあるので、この盤を紹介する。
 この中で特に好きな曲は"DIRTY MOON"と"愛し方を間違えて"の2曲。
 また曲によって違うが、多くの一流ミュージシャンがバックをつとめている。
 村上Ponta秀一、高水健司、山岸潤史、などなど通好みのミュージシャンが一杯だ。
 そして録音も良い。やや深めのエコーがかかっているが、楽器の音もクリアーだ。
 STEP常連の超オーディオ.マニアK氏によると、
 バカ売れしてからのアルバムは音が確実に悪くなったそうである。
 ラジカセやミニ.コンポでよく聞こえるような音づくりがされているらしい。
 そういえばユーミンのアルバムも、安物装置の方がそれらしく聞こえるという話がある。
 録音エンジニアには素直な録音をしてくれることを望む。

     REPEAT PERFORMANCE ‡U/おおたか静流   (TECN 30224)   \3059
  この人の声は一度聴いたら忘れられない強烈なものだ。
 それ故、受け付けない人も結構いるようだが、私は大好き。
 どのアルバムもはずれはないと思うが、この盤は私の大好きな”戦争は知らない”が入っているので、
 特にオススメとなっている。
 寺山修司の詩が泣かせるこの曲は、高校生の時によく聴きそして歌ったものだ。
 フォーク.クルセダーズの4曲入りEP盤(当時東芝で結構出していた)、懐かしい。
 他にも”蘇州夜曲””安里屋ユンタ””オクラホマ.ミキサ”に日本語の詩を付けた曲など、
 無国籍的なのに、なぜか古き良き日本を感じさせる。

     マーラー:交響曲第5番/インバル指揮 フランクフルト放送交響楽団    (COCO 75503)   \2548 
  STEP開業の頃(11年前)マーラー・ブームがおきていた。
 そのころオーディオ雑誌で試聴盤として使われたのがこの盤だった。
 その後、バーンスタインなど数人のマーラー5番を聴いたが、私に演奏の善し悪しなどわかるわけもなく、
 誰の指揮、演奏がよいなどとはいえない。
 ただ冒頭のトランペットの響きが、最初に聴いたこのインバルのが一番美しいような気がする。
 断頭台に引かれていく様子を表現しているらしいが、なぜか私にはとても美しいシーンのように感じられる。

     ラブ.ソングス/ジョナサン.バトラー   (BVCQ 1008)   \2039
  これも開業してまもなくの頃から聴いている。
 ブラコンを代表するようなイイ曲、"ラブ.ソングス"はいまでもたまに、
 テレビでBGMとして使われているのを耳にすることがある。
 そんなときとてもうれしくなるのだが、ギターも歌も達者なのに、ここのところ売れないのが寂しい。

     鬱(うつ)/ピンク.フロイド    (32DP 820)    \3066
  プログレ.ロックの王者、ピンク.フロイドのちょうど10年前の作品。
 高校生の時に「原子心母」(なんという日本語タイトル!)がブームになって以来、
 ずっと注目しているバンドだ。
 欧米では信じられないほど売れた「狂気」だが、どうもピンと来なかった。
 日本ではそれほど売れなかったところを見ると、そう思ったのは私だけではないようだ。
 一番好きなのはLPでよく聴いた「炎/Wish You Were Here」だが、この「鬱」も良い。
 環境が許せば、なるべくヴォリュームを上げて聴きたい音楽だ。
 ロックというジャンルにこだわらず、クラシック.ファンにもジャズ.ファンにも
 一度聴いてもらいたい魅力があると思う。

     日本のうた/鮫島有美子       (COCO 6806)     \3059
   インバルのマーラーと同じ頃、デンオンの好録音盤として有名になった。
 現在の鮫島人気を築いた老若男女にかかわらずおすすめできる名盤だ。
 普通ソプラノ歌手が唱歌を歌うと嫌みに聴こえることが多いが、この人のうたには毅然とした上品さとともに、
 包み込むような優しさがあると思う。
 オーディオ・チェック用としても、高音のきつさとかバックのピアノとの対比など、いまでも十分役立っている。


制作者:片桐俊英  メールはstep@awa.or.jpまでお願いします

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